そもそも産後クライシスってなに?
産後クライシスとは、赤ちゃんが誕生してすぐ育児に対するストレスなどが原因で夫に対する不満がつのり、その結果夫への愛情が失せてしまい、セックスレスや喧嘩が絶えないなど夫婦関係に危機が及ぶ現象のことをいいます。
実際は危機でとどまるばかりか、このことが原因でなんと半数以上の女性が産後すぐに離婚をしたいと思うのだとか。
妊娠までは何の問題もなく、仲睦まじく過ごしていた夫婦でも子供が生まれると関係が壊れて離婚に至ってしまう人が多いそうです。
最近までこの現象の実態はあまり知られていませんでしたが、厚生労働省の調査により離婚して母子家庭になる子供の年齢0~2歳だということが分かりました。
では、この現象は数年前から増加してきたものか、というとそうではありません。
ずっと昔から起こっている現象です。
しかし昔と比べ結婚を継続させるべきだという世間の風潮が変化しつつあるため、女性が自分で結婚や出産をふくめ、離婚などを選択できるようになりました。
つまり「夫婦観や家族観」が変化した結果、このような現象が問題視され取り沙汰されるようになったのです。
女性は結婚と出産を「人生における幸せのゴール」のようにとらえがちです。
その結果、理想と現実のギャップに悩むことになり、離婚に至るケースも増えているのかもしれません.。
どうして産後クライシスになるの?
産後クライシスに陥る原因はいくつか挙げられます。
まず、赤ちゃんが生まれると女性は今までのように自分や夫に時間を割けなくなります。
朝晩関係なく24時間態勢で育児に奔走することになるのです。
そうなると精神的にも肉体的にも余裕がなくなります。
常に緊張し疲弊した状態では愛情を夫に向けることもできなくなりますし、性欲も減退します。
その結果、セックスレスに陥る夫婦が多いのです。
次にホルモンバランスの変化です。
女性は生物学的に子供が生まれるとその子供を育てるために、しばらく妊娠しにくくなるようにホルモンの分泌に変化がおこります。
そのホルモンの影響により、すぐに妊娠しないように異性を寄せ付けなくなるのです。
そのため産後性欲が減退するのも精神的なものももちろんありますが、ホルモンの影響でもあるのです。
他にも、今は昔とちがい女性も働くようになったことが理由として挙げられます。
ですがいまだに育児や家事を負担するのは女性の場合が多いようです。
必然的に女性側が負担する仕事量が増えてしまい、妻が夫に不満をもつという状況になるのです。
子供が夜泣きしても起きるのは女性で、男性は寝たきりでそれが原因で喧嘩をするというのもよく耳にする話です.。
どうすれば産後クライシスにならずに済む?
さきほど述べた産後クライシスになる原因は、女性の精神的ストレス、ホルモンバランス、女性と男性の育児や家事の配分の違いなどです。
赤ちゃんは女性の力だけで授かるものではないので、生まれてからも男性が協力して育児をすることが最も重要なことになってきます。
つまり、女性の精神的ストレスを軽減するためにも男性の協力的な態度が必要不可欠となってきます。
また、共働きの場合は実家に頼ることやお手伝いさんを雇うなど第三者の手を借りることもまた1つの手です。
ただ夫婦間の関係を壊すのは夫婦同士の問題なので、夫婦間でのコミュニケーションも必要です。
男性は女性と違い、子供が生まれた瞬間から子育てをする本能が目覚めるわけではありません。
育児に協力してもらうには、少しずつ育児を手伝ってもらい、そのなかで子育てをする責任感をもってもらうしかないのです。
ホルモンバランスによる影響については、事実を知っているだけでもかなり違います。
というのも「あ、これはホルモンのせいでイライラしているのだな」など自分で気づくことができるからです。
気づいたときにホルモン剤を飲んだり、ハーブティーを飲んで気持ちを落ち着けるなどすればホルモンバランスも落ち着いてきます。
夫婦間の危機はあるものだ、と思い開き直る気持ちも必要なのかもしれません。