赤ちゃんの寝ゲロはなにが原因?
赤ちゃんの体調不良でしばしば登場してくるのが嘔吐。
なかでも睡眠中に嘔吐することを俗に「寝ゲロ」といいます。
ただ単に嘔吐といっても実はさまざまな原因が考えられます。
・急性胃腸炎:嘔吐の原因で一番多いのがこの急性胃腸炎です。
冬場に流行するロタウイルスやノロウイルスなどが代表ウイルスです。
ノロウイルスは最近集団感染でもニュースになりましたが、容易に感染するので注意が必要です。
・食べ物や飲み物の摂取過多:胃の大きさが大人と比べ小さく、消化能力もまだ未熟なため消化不良をおこすと外に出そうと嘔吐する場合があります。
・頭の打撲:頭を打撲し、脳内に出血を起こすと髄膜刺激がおこり繰り返し何度も嘔吐する場合があります。
・髄膜炎や脳炎といった頭の感染症:嘔吐のほかに発熱や頭痛を伴うため、胃腸炎のときよりもよりいっそう苦しそうにします。
中には重篤化する場合があるので早急に発見し、治療する必要があります。
以上のように嘔吐といっても多くの原因が考えられるため、鑑別が重要です。
ですが頭の打撲や頭の感染症などは嘔吐以外に意識がもうろうとしていたり、かなりしんどそうにしていたりと目に見えて緊急性があることが分かる場合が多いのでその場合はすぐ近医を受診されることをお薦めします.。
寝ゲロを発見したとき、してはいけないこと
赤ちゃんが寝ゲロをしていたとき、驚いてパニックになってしまうことがありますが、ここではやってしまいがちですが控えたほうがいい行動をご紹介します。
ただし、ここではもっとも頻度が高い急性胃腸炎の疑いがある場合について言及します。
・放っておく:もちろんこれは絶対にしてはいけません。
嘔吐はまだ言葉がしゃべれない乳幼児の無言の合図です。
どこが悪いのか、しっかり見極めてあげることが大切です。
・吐いてしまうから、食べ物や水分を一切与えない:急性胃腸炎の場合、固形物や刺激のある飲料を与えてはいけませんが、病気と戦うためのエネルギー源はもちろんのこと体重の60%を構成している水分を補充してあげなければ症状は重篤化します。
とくに病気のとき身体の中では炎症が起こっているので普段以上に水分を必要としているのでよりいっそう水分の補充は大切です。
・吐物を直接手で触る:嘔吐の原因がノロウイルスである場合、空気・接触感染を容易におこします。
またノロウイルスはなかなか死なないしぶといウイルスですので殺菌するには次亜塩素酸(ハイターに含まれる)できっちり殺菌することが必要です。
吐物を処理するときは手袋とマスクを着用し、早急に処分してください.。
赤ちゃんが寝ゲロしたとき、なにをすればいい?
それでは赤ちゃんの寝ゲロを発見したとき、なにをしたらいいのでしょうか。
ここでは近医を受診される前に応急処置としてお母さんができることをご紹介させていただきます。
・約1、2時間の絶食:嘔吐直後は胃液により口の中が気持ち悪い状態ですし、胃腸の調子も鈍くなっています。
軽く水で口のなかをすすいでやり、1、2時間は食べ物は与えないようにしてください。
・少量の水分をこまめに与える:嘔吐すると大量の水分が体内から失われます。
一番恐いのは脱水症状です。
体内の水分が失われると最悪の場合死に至ることもあります。
こまめな水分補給で脱水を防ぎ、与える水はただの水ではなく、できれば嘔吐とともに失われた電解質の補充も行えるスポーツ飲料などが望ましいでしょう。
乳幼児には専用のアクアライトというイオン飲料があります。
・飲んでも吐かなくなったら、おかゆやうどんなどを少量ずつ与える:しばらくは胃腸に負担をかけない食べ物が無難でしょう。
おかゆやうどんなど消化しやすく吸収しやすい食べ物を少量ずつこまめに与えてあげてください。
ここでご紹介したのはとくに急性胃腸炎が原因に考えられる場合の対処法ですが、「お腹が原因ではなさそうだな」と思った場合は、他の挙げた原因が考えられますので速やかに病院で受診してください。