0歳から3歳の【絵本の読み聞かせ】が育む豊かな心
幼児教育が注目され、パソコンやテレビ、DVDなどを利用するなど様々な幼児向け教育グッズや教材が数多く出回っていますが、基本的な生活習慣などをないがしろにしてまで教育に熱を注ぐのは問題です。
絵本の読み聞かせは、幼児教育はもとより人間性の土台となりうる大切な部分を築く要素となり得ます。
絵本や物語は、想像力や知的好奇心を駆り立て、感動する心や安定した情緒を育て、ボキャブラリーを豊かにして言葉で気持ちを表現する力などを育むことにもつながりますが、何よりも、絵本を通した親子のコミュニケーションは、子供にとって愛情確認手段のひとつであるのです。
パパやママと触れ合い、声を間近に聞き、子供が大好きなパパとママに愛されていることを自覚しながら、一緒に覗き込む絵本の挿絵や色、文章が織りなす物語に触れる。
子供ながらの独特の感性を刺激する空想の世界に浸りながら、情緒や優しさといった温かい心を理解していくのではないでしょうか?
絵本はただ与えるだけではなく、実際に読み聞かせることにも大きな意味があります。
例え言葉がわかるようになっても、字が読めるようになったとしても、大人が子供に本を読み聞かせてあげることは大切なのです。
ココが大事!0歳から3歳児の絵本の読み聞かせかたの2つの鉄則
- 子供を抱っこしたり、または本を横に置くなどして子どもと同じ方向から見る。
- 子供が絵本の世界に入り込みやすいように、話の進行に合わせて抑揚をつけるなど工夫をして読む。
※慣れないうちは抵抗があるかもしれませんが決して適当に読んではいけません。
0~1歳から絵本の読み聞かせをしてあげたい理由
0~1歳は、日々の成長が目覚ましい頃です。
言葉もいつの間にか『あう~』などといった母音を主とするクーイングから、徐々に多音節の喃語を発音し始め、早い子では『ママ』等の簡単な単語が聞き取れるようにもなります。
しかし、月齢があまり早いと読み聞かせというより、感覚的には胎教の延長か、もしくは心地よい子守唄のような感じがするかも知れません。
それでも赤ちゃんは、“絵本”自体が何かはわからなくても、パパやママの声に安心しているはず…。
絵本チョイスのポイント
0歳は、物の形がはっきりとしている図柄や、簡単にものや動作がわかったりイメージがつくような、擬声語などで表現された絵本などがおすすめです。
語りかけるように優しく読んであげましょう。
月齢が進んでくるとだんだんと好奇心も旺盛になってきて、いろいろな物を視覚・聴覚・触感など五感を駆使して確認したりし始めます。
この頃からは触る感触も楽しめる柔らかい布絵本なども良いでしょう。
0~1歳のおすすめ絵本
もこもこもこ
★ 作・絵:谷川 俊太郎(著) 元永 定正(絵)
★ 出版社:文研出版
いいおかお
★ 作・絵:松谷 みよ子(著) 瀬川康男(絵)
★ 出版社:童心社
わんわん わんわん
★ 作・絵:高畠 純
★ 出版社:理論社
1~2歳からは絵本がメキメキ楽しくなる?!
はいはいやたっちを卒業しやがて一人歩きを始めます。
両手が自由に使えるようになると視野や行動範囲の広がりとともに興味の範囲もぐっと広がってきます。
今までよりも絵本に興味が出てくるかな?
簡単な動物なども識別するようになるため、絵本も一段と種類が増えてきます。
本のリクエストが出来るようになる子も…。
絵本チョイスのポイント
擬声語などがふんだんでも楽しさがあると喜んでくれるかも…?!
興味の幅が広がる頃なので、途中で本をめくったりすることも多くなってきますが、忍耐強く付き合っていきましょう。
かじったりすることも多いので、割と丈夫な本が良いかも知れません。
1~2歳のおすすめ絵本
どうぶつのおかあさん
★ 作・絵:小森 厚(著) 薮内 正幸(イラスト)
★ 出版社:福音館書店
コロちゃんはどこ?
★ 作・絵:エリック・ヒル(著) まつかわ まゆみ(訳)
★ 出版社:評論社
ぎゅっ
★ 作・絵:Jez Alborough(ジェズ・オールバラ)
★ 出版社:徳間書店
いやだいやだ
★ 作・絵:せな けいこ
★ 出版社:福音館書店
2~3歳は自分から楽しめる絵本が好き?!
自我が芽生えはじめ、何にでも興味津々、自分でやってみたくなる子も多くなってくる時期です。
身の回りの物ごとを思った以上に理解していることも。
まだまだぶきっちょで危なっかしい様子は、ささいなことでもハラハラドキドキしてしまいますが、本人の『やりたい!』という気持ちを上手に尊重してあげて、大きなけがなどをしないように見守ってあげるのも良いかも知れません。
絵本チョイスのポイント
言葉のリズムが楽しめるような種類の絵本も増えてきて子供も喜びます。
基本的な生活習慣を身に着け始める時期でもあるので、“ひとりでできた!”というような子供自身の経験に近い絵本もプラスの影響を与えます。
2~3歳のおすすめ絵本
ねないこだれだ
★ 作・絵:せな けいこ
★ 出版社:福音館書店
おおきなかぶ(ロシア民謡)
★ 作・絵:A・トルストイ(編者) 内田 莉莎子(訳) 佐藤 忠良(絵)
★ 出版社:福音館書店
すっぽんぽんのすけ
★ 作・絵:もとした いづみ(作) 荒井 良二(絵)
★ 出版社:鈴木出版
きんぎょがにげた
★ 作・絵 五味 太郎
★ 出版社:福音館書店
まっくろネリノ
★ 作・絵 ヘルガ・ガルラー(作) やがわ すみこ(訳)
★ 出版社:偕成社
3~4歳からは“ストーリー”の中を探検してみよう
絵本チョイスのポイント
童話などの簡単な物語形式のお話も徐々に理解するようになります。
絵本のキャラクターの感情などにも目を向け想像力を働かせたりするようになります。
2~3歳の頃と比べて、少しだけ落ち着きや集中力を育てるようなニュアンスで、お話を読んでみるとよいかも知れません。
3~4歳のおすすめ絵本
どうぞのいす
★ 作・絵:香山 美子(作) 柿本 幸造(絵)
★ 出版社:ひさかたチャイルド
ラチとらいおん
★ 作・絵:マレーク・ベロニカ とくなが やすもと(訳)
★ 出版社:福音館書店
よるくま
★ 作・絵:酒井 駒子 ★ 出版社:偕成社