虫歯菌は母親からうつる可能性が高い
生まれたばかりの赤ちゃんのお口に、虫歯菌は存在しません。虫歯菌は周りの大人たちからもらうのです。例えば、家族が使ったスプーンをそのまま赤ちゃんに使用する。それだけで虫歯菌がうつってしまいます。ここまではよく知られている話ですね。気をつけている方も多いのではないでしょうか。ここからは、私が歯科医師さんと歯科衛生士さんから聞いたお話です。
赤ちゃんに虫歯菌をうつす影響は、母親が9割。その他、家族である父親や兄弟姉妹、祖父母が合わせて1割だそう。驚きですね!母親はそれだけ赤ちゃんと密接なスキンシップを取っているのです。
また、虫歯菌が最もうつりやすいのが1歳半~2歳半の一年間。この一年気をつけていれば、その後虫歯に悩まされることのない人生を送れるかもしれません!
これダメ!虫歯菌がうつる危険性のある行為
では、何に気をつければいいのか?私はこの話を、第二子の歯科健診で初めて聞いて相当ショックを受けました。第一子で、祖父母を含め、3歳過ぎまで周りを巻き込んで気を遣ってきたのに「それすらダメなのか・・・」と落胆。私と同じく涙が出そうな方も多いのではないでしょうか。ご参考までに、気をつけるべきことをピックアップしました。ほっぺにチュウ禁止!
口にチュウはしないけど、ほっぺくらいは・・・と思っていました。というか、しないお母さんなんているんですかね!?ほっぺにチュウした後に、赤ちゃんがチュウした側のほっぺから口にかけて腕でぬぐうと、それだけで虫歯菌が入ってしまうそうなのです。チュウするのをやめるか、した後はすぐきれいに拭きとるしかない!?なんだか切ない・・・。
熱いご飯のフーフー禁止!
離乳食を食べさせるときに、お母さんが熱いご飯にフーフーして少し冷ましてあげる。これも、フーフーで虫歯菌が離乳食に飛んでしまうようです。これこそ超猫舌の第一子に何度も行ってきたこと・・・もう涙なしでは語れません。
食器の共用は禁止!
親の食べたものをあげたり、スプーンやフォークを共用しない、というのは実践されている方も多いと思いますが、お皿も別にするほうが良いそうです。大皿に盛ったパンを家族で取って食べるということもやめておいたほうが良さそうです。大人も半年に一度は歯科定期検診へ
感染源である大人の口内に虫歯があると、虫歯菌をうつす率が高くなります。赤ちゃんを産む前に治しておくのが望ましいですね。妊娠中でも歯科検診に行き、虫歯を治療しておきましょう。
昔は「子供を一人産むと歯が一本なくなる」と言われたくらい、妊娠中は虫歯になりやすい状態なので、ぜひとも受診してください。そして家族みんなが、きちんと歯科定期健診をして半年に一度は虫歯の有無を調べ、早期治療を心がけることが、赤ちゃんへの感染を防ぐ大事な予防法となります。
2歳半を過ぎても虫歯菌対策できる
1歳半~2歳半が最も虫歯菌をもらいやすい危険な時期ですが、1歳半未満でも、2歳半を過ぎても虫歯菌はうつります。口の中にはたくさんの菌がおり、2歳半~3歳頃までにその菌たちの勢力図が決定します。1歳半~2歳半の間に虫歯菌を極力入れないようにすれば、虫歯菌の定着率が低く、その後の虫歯リスクが低くなるということなのです。虫歯予防は歯磨きを徹底すること
虫歯のリスクを下げるためには、当然のことながら歯磨きの徹底が必要になってきます。仕上げ磨きをきっちり行う。歯磨き粉はフッ素入りのものを使用する。これを基本として、半年に一度、歯医者さんでフッ素を塗布するのも効果的です。定期的にフッ素を塗布することにより、強い歯を作っていくことができます。
もう一つ、歯医者さんでできるのがシーラント。奥歯の噛む面の溝の部分にプラスチックを埋め込み、その溝からできる虫歯を予防する方法です。
フッ素塗布もシーラントも、あくまで予防法の一つです。行っているからといって歯磨きをおろそかにしてしまえば当然虫歯のリスクは高まります。
基本である仕上げ磨き、これが一番重要です。
フッ素に発がん性があるなど、ネット上に多くの情報もありますが、歯磨きに使用する量としては全く問題がないと歯科衛生士さんから伺いました。それより虫歯のリスクを抑えましょう。
食後にコップで水かお茶を飲むだけでも効果的
食後に水かお茶を飲んで口の中を洗い流すことも効果的です。ストローだと口の中にいきわたらないので、コップで飲ませるようにしてください。
ジュースや牛乳のような糖質を含むものはダメですよ。
その他、大人でも同様ですが、甘いものの摂取を控えることや、ちょこちょこ食いをしないことが大事です。食べ物を口に入れない間、口内は正常な状態に戻ろうとするので、ちょこちょこ何か入ってくると常に菌が増殖する環境になります。
虫歯菌がいなくても歯磨きを習慣づける
もし虫歯菌を0に保つことができたとして、その場合は歯磨きの必要はないのでしょうか?答えはNOです。虫歯はできなくても、歯肉炎になる可能性があります。歯肉炎は虫歯菌とは別の菌(口腔常在菌)が作り出すもので、健康な人の口の中にも住んでいます。虫歯菌と同様に、歯磨きを怠り、甘いものを過剰に摂取していると歯肉に炎症を起こすことになるのです。やはり歯磨きは大事ですね。
虫歯菌の有無はどこで検査できるの?
虫歯菌が存在するかどうかを検査することは可能です。検査方法は、唾液を採取してそこに虫歯菌がいるかどうか調べるだけ。大学病院など大きな病院で検査可能ですが、町の歯医者さんでも実施している場合があります。
まずは近所やかかりつけの歯医者さんに、検査ができるかどうかを聞いてみましょう。子どもに歯磨きを好きになってもらおう!
歯磨きが大事なのはわかるけど、うちの子歯磨きが嫌いで・・・というお母さんも多いのではないでしょうか。これ、ものすごくわかります。私も今下の子が1歳半で、仕上げ磨き大嫌い。赤ちゃんの頃に仕上げ磨きを嫌がらなかった子でも、ほとんどの場合、どこかで嫌がる時期はきます。
上の子は絵本や人形を使って歯磨き嫌いを克服しました。歯磨き系の絵本は数多く出ています。日常的な読み聞かせの一つとして読むのも良し、歯磨きのときに持たせてあげてもいいですね。
お気に入りの歯ブラシでやる気アップ
自分の歯を子供に磨かせてあげて、「じゃあ交代ね」と言って子供の歯磨きをしていた友達もいました。面白いアイデアです!子供が気に入った歯ブラシを買ってあげるのもいいでしょう。小さなことですが、これで本人のやる気が変わったという話も聞きますよ。いろいろ試してみてください。まだ月齢の低い赤ちゃんの場合は、歯が生えてきたら食後にガーゼで口の中を拭いてあげて、口の中を触られる習慣をつけておくのも一つの方法です。ガーゼで拭くだけでも口内のお掃除になります。
仕上げ磨きをがんばってお口の中を健康に
虫歯菌の対策をお伝えしましたが、仕上げ磨きはスキンシップの一つだと思って、虫歯菌がいてもいなくても忘れずに磨いてあげてください。
上の子に関しては、たまに早く眠くなって夜に歯磨きをせずに寝てしまうことがあるのですが、寝ている状態でも無理矢理磨いています。歯は一生もの。母として大切にしてあげたいですね。私もがんばります!