イヤイヤ期を知ることで気持ちが楽になる
生まれてから一歳前後までの赤ちゃんはお母さんと一心同体で生きてきました。
そのうち、お母さんと自分は他人であるということに気が付き始めます。
それが第一次反抗期の始まりです。
反抗といってもそれは否定的なものではなく、まずはものまねなどから始まります。
バイバイやありがとうの手振り身振りがそのいい例です。
お母さんがしていることを自分もしてみようという欲求が生まれているのです。
そのうちそれはお母さんから受ける受動的なものではなく、自分自身を表現しようという能動的な欲求へと移行していきます。
しかし、一歳から三歳くらいまでは自分自身の感情や欲求を言葉でうまく表現することができません。
それがイヤという言動へとつながります。
大人であってもことがうまく進まないとイライラするのですから、まだまだ未熟子供ではなおさらイライラし、泣き叫び、わがままになっても仕方ありません。
それを様子を反抗期だと表現しているのです。
しかし、イヤイヤ期はお母さんに対して反抗しているのではなく、お母さんに自分の気持ちを伝える自己表現練習の期間なのです。
心が成長しているからこそおこる行動だと思えば、少しはイヤイヤを肯定的にとらえられます.。
選択させることで赤ちゃんの欲求を満たす
ご飯を食べさせようとしても嫌だ、外出しようとしても嫌だ。
何もかも、あれもこれも嫌だではお母さんも困ってしまいます。
そこで効果的な声掛け方法を教えます。
「今からお買い物に行くよ」という声掛けは、お買い物に行くのか、行かないのかを選択させることになってしまいます。
そうなればイヤイヤ期特有の「嫌だ」という返事が返ってきがちです。
そうではなく「お買い物に履いていく靴は、赤と白とどっちがいい」と声をかけてみるのです。
お買い物に行くことも、靴を履くことも決定事項で、選択するのは靴の色のみです。
赤だろうが白だろうがお母さんは困りませんし、赤ちゃんは自分の選択をお母さんに認めてもらうことができ、自己表現をするという欲求が満たされたわけです。
食事やお風呂なども同じように、それらをするのは決定事項として、そのほかにコップの色や入浴剤の種類などを決めさせてあげると比較的スムーズに進んでいきます。
選択肢が多すぎると混乱してしまいますから、なるべく2,3個にとどめておくことが望ましいです。
また、そのほかの選択肢が目に留まらないように隠しておくなど注意が必要です。
まだまだ気が散りやすく、うつろいやすい時期ですから、好みのものとそうでないものなど選択肢も工夫することが大切です.。
イヤという気持ちを肯定してあげる
イヤイヤされてイライラしてしまうと、つい叱ってしまうこともあります。
でも、むやみに叱ることは逆効果でしかありません。
まず、イヤという気持ちをおおげさに肯定してみましょう。
抱っこをせがんで歩くことを嫌がったら、疲れていることをまず認めてあげます。
たくさん頑張って歩いたもんね、疲れたよね、暑いよね。
たくさん肯定の言葉を投げかけてみてあげてください。
そうすると赤ちゃんの気持ちもだんだんと落ち着いてきます。
お母さんに肯定されたことで抱っこされたい、甘えたいという気持ちが満たされてきているのです。
そうやって心が満たされればお母さんの抱っこできない理由もちゃんと聞くことができるようになります。
お母さんは自分の疲れたという自己表現を認めてくれたのだから、自分もお母さんの抱っこできないという自己表現を認めるようになるのです。
頭ごなしに叱ってしまえば、自己表現を否定されたような感覚になり、心の成長を阻害してしまうことにもなりかねません。
イヤイヤ期は自己表現の練習期間です。
嫌だという表現以外の方法をお母さんが言葉でたくさん教えてあげましょう。
そうすればいずれ自己表現がしっかりできる大人へと成長できるのです。